セキュリティに不安のある企業も安心。Office365が国内データセンター限定でのデータ管理をスタート
Office365を提供しているマイクロソフトは、office365などに使われるデータセンターを国内のものにするという発表をしました。
クラウドサービスは、利用したいけど海外のサーバではセキュリティやコンプライアンスの視点から不安というケースも多かったのですが、この国内データセンターに限定するという施策でそのような不安も減るのではないでしょうか。
インプレスのクラウドウォッチが記事にしているので紹介します。
日本マイクロソフト株式会社は13日、「Office 365」および「Dynamics CRM Online」のデータセンターを国内に設置。東日本および西日本の2カ所のデータセンターからサービスを提供すると発表した。
Office 365については2014年内に、Dynamics CRM Onlineについては、2015年第1四半期までにそれぞれ稼働させる。
同社では、すでに、プラットフォームサービスである「Microsoft Azure」向けのデータセンターを今年2月から稼働させており、これにより、同社の3つの主要クラウドサービスにおいて、国内データセンターを活用したサービスを提供することになる。
現在、Office 365およびDynamics CRM Onlineを利用しているユーザーは、自動的に日本のデータセンターからのサービス提供へと移行。新規契約のユーザーもすべて日本のデータセンターからのサービスとなる。また、既存ユーザーは、既存のデータセンターから継続的に利用するという選択もできる。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「3年半前に、日本マイクロソフトへと社名を変更し、日本に根ざした企業、日本に貢献する企業を目指した。それを最も象徴することが今日の発表になる」と前置き。
「日本マイクロソフトのクラウド事業は大きな勢いをつけている。Microsoft Azureは前年比2.7倍、Office 365では2.3倍、Dynamics CRM Onlineでは2倍の伸びとなっている。特にAzureは日本にデータセンターを設置してから勢いが加速している。当初は想定以上のお客さまが殺到し、海外から日本に拠点を移したいというユーザーも多く、一時的にはキャパシティが危ないこともあり、急ぎ増強した経緯がある」との状況を説明した。
また、「Office 365は、日経225のうち70%の企業が利用している。いまや、提案書にクラウドという文字がなければ受け入れてもらえない。このビジネスをさらに加速させたいと考えている。さらなる投資により、クラウド事業を強化。本社と話をして、早く日本に持ってきてほしいと要望し、世界戦略のなかでこの決定が行われた。3つのサービスに関して、ローカルデータセンターを設置しているのは日本だけである。日本マイクロソフトは、クラウドで本気である。今後年率で3倍の成長を見込み、クラウドパートナーの数も現在の1500社から2000社へ拡大したい。また米国で展開しているガバメント向けクラウドサービスも、今後は日本でサービスを開始したい」と語った。
同社では、グローバルレベルのパブリッククラウドサービスとしてのサービスを提供できるとともに、国内拠点を利用したサービスを提供できることになる。これにより、規制などで国内にデータを保管することがパブリッククラウド利用の要件となることの多い、金融、医療、官公庁、自治体などのユーザーにも選択肢を提供できるとしている。
「日本の顧客向けに2つのリージョンからサービスを提供できること、国内最高レベルの耐震性を持っているといった特徴がある。競合他社では国内にデータセンター拠点がない、あるいは拠点があっても、東日本大震災以前に設置され耐震性能に課題があるところ、海岸沿いに設置しており、リスクが大きいというところもある。日本マイクロソフト自然災害の発生を前提として設置場所を設定し、自家発電設備もおいている。万全の体制をとっている。また、マシンラーニングやPower BIを利用したモニタリングなど、マイクロソフトのソフトウェアを生かした高信頼性、高可用性を実現。ひとつのリージョン内に複数の拠点を持つことで国内における高い冗長性を確保している」(樋口社長)と語った。
国内のデータセンタの具体的な場所などは発表されていませんが、国内基盤への移行はかなりスピード感をもって進められているなと感じます。
国内企業特有の問題かもしれませんが、自社のデータが海外におかれたときの保証問題等を気にされる方はおおいなと感じています。