Windows10のIoT関連発表会があったようですよ。
IoTは、バズワードのようでこれからの未来を暗示しているワードのようです。
LinuxだけではなくMicrosoftのWindows10でもIoTのベースとして利用できると発表されていましたが、ようやく形になってきたようです。
日本マイクロソフトは17日、「モノのインターネット」(IoT)向けWindowsである「Windows 10 IoT」に関する説明会を開催し、IoTにおけるビジネスチャンスとWindows 10 IoT採用によるメリットを説明した。
Windows OSでは、これまで組み込み機器向けにも提供されていたが、これがWindows 10世代となって「Windows 10 IoT」に刷新され、「Windows 10 IoT Enterprise」「Windows 10 IoT Mobile Enterprise」「Windows 10 IoT Core」の3つのエディションが提供される。
Windows 10 IoTには3種類のエディションが用意される
Enterpriseエディションは、x86をサポートしてWin32アプリも動作するため、通常のWindows 10に近い利用ができる。業務タブレットやPOS端末、キオスク端末、デジタルサイネージなどの利用を想定し、Long Term Servicing Branchと呼ばれる提供方法となる。これは、セキュリティアップデートは提供される反面、サポート期間中は新機能は提供されないため、ミッションクリティカルな製品に適している。
Mobileエディションは、ARMをサポートし、Windows 10のアプリと互換性のあるUWP(Universal Windows Platform)アプリのみに対応。モバイルPOSや小型業務端末が想定されており、Current Branch for Businessでの提供になる。これは、セキュリティ更新だけでなく機能追加も行なわれる。
Coreエディションは、x86またはARMをサポート。UWPアプリをサポートするがシェルはなく、より小型の端末での利用を想定する。デジタルサイネージやIoTゲートウェイ、スマートホームなどが例に挙げられている。
こうした複数のエディションを用意することで、さまざまなIoT端末のバリエーションをカバーしていく考えだ。
IoTは、従来のPCやスマートフォンのような機器だけでなく、家庭の照明や目覚まし時計、コーヒーメーカーといった家電、自動販売機や空調、セキュリティカメラといった産業機器まで、さまざまなものがインターネットに接続できるようになる。2020年までに250億の機器がインターネットに接続されるようになり、市場規模は1兆7000億ドル規模になる、との予測が紹介され、「大きな好機がある」と米MicrosoftのIoTデバイスエクスペリエンス セールス&マーケティング担当ゼネラルマネージャーのロドニー・クラーク氏は強調する。
2010年までは、単独で存在していたさまざまな機器が、IoTとして相互に接続するようになってきた
多大なビジネスチャンスがあり、特にその70%はB2Bの領域に存在するという予測国内でも、ICT市場全体では25兆円の規模があるものの、19年まで年率0.1%減という予想だが、IoT市場は9兆円から16兆円となり、年12%の増加になると見込まれている。
Windows 10 IoTとAzure IoTによって、機器からクラウドサービスをカバーし、得られた情報を活用できる体制になることで、IoT関連のビジネスをサポートできるというのがマイクロソフトの強みだ。クラーク氏は「Better Together」と表現し、パートナーとの連携によるビジネスの拡大に意欲を見せる。
マイクロソフトは、クライアントOSとクラウドとの連携による包括的なソリューションでIoT市場で拡大を目指す
Windows 10 IoTでは、UWPアプリが動作するのが大きなメリットとなり、一度の開発でPCからスマートフォン、IoT機器までをカバーできるため、「ROI(投資対効果)がはるかに向上する」と米MicrosoftのIoTテクニカルセールス担当ゼネラルマネージャーのカール・コーケン氏はアピールする。同様に、ユニバーサルWindowsドライバーによってドライバーも共通化でき、GPIOやI2Cといった標準バスで接続された周辺機器もUWPアプリからアクセスできて、Windows 10 IoT端末と各種センサーなどと接続もできる。
UWPアプリとユニバーサルWindowsドライバーによる開発コストの低減、接続性の向上などのメリットが提供できる、という
Windows 10で提供されるセキュリティ機能もサポートされるほか、書き込み防止やUIカスタマイズなどのなどのロックダウン機能も装備。機器間の連携では標準規格の1つであるAllJoynを標準でサポートし、OSやプラットフォームを問わない機器連携を可能にしている。
エンタープライズレベルのセキュリティ機能を実現
IoTで不可欠なロックダウン機能も装備Windows環境で統一できることで、機器管理も一貫性が確保できる
プラットフォームを問わず機器連携を実現するため、AllJoynをサポートする国内では、個別の企業だけでなく、さまざまなパートナーと連携したエコシステムを重視し、より多くの業種・業態と連携してエコシステムの拡大を目指していきたい考えだ。
Windows 10 IoT Coreを搭載したDragonBoard 410c同じくCoreエディション搭載のRaspberry Pi 2
こちらはAtomプロセッサを搭載したMinnowBoard Maxソリューション例として、東京エレクトロン デバイスのリモートコントロールとIoTゲートウェイ「Falcon Link MKII」(デモ)。接続機器のリモートコントロールに加え、画像解析による故障予知を取得するといった用途を想定
ドローンワークスによる産業用ドローン。Coreエディションを搭載することで、ドローンの制御だけでなくセンサー情報を取得し、得られた情報をクラウドサービスなどと連携させることで活用る。農業やインフラ点検など、さまざまな領域に適用できるとしているNTTデータのIoTデバイス・プラットフォーム基盤。AllJoynを実装したデモ環境としているが、要望があればこれを用いたソリューションを提供する準備は整っているという
ベッコフオートメーションの小型組み込み型コントローラ「CX5130」。これまでWindows Embedded Standard 7を利用可能だったが、Windows 10 IoT Coreへの対応を決めた