EC進化系は、アマゾンを攻略できるのか?新しいサービスがいくつか紹介されています。

アマゾンの売上が今回はあまり冴えなかったようです。日本でもアマゾンや楽天の勢いはそれなりにすごいのですが、最近はあたらしいサービスもでているようで、そんなEC系サービスが紹介されてました。

BLOGOSで記事になっていたので紹介します。

皆さんも御存知の通り、日本の宅配物流はヤマト運輸と佐川急便そして日本郵便の3強で成り立っている。日本は世界に先駆けて緻密な物流網を自前、フランチャイズ問わず整備してきた。その御蔭で我々の生活は格段に便利になり、注文してから数日で確実に届くようになり、翌日配達になり、ついには当日配達という奇跡が実現するようになった。元にこの文章を書いている最中にAmazonのサイトから書籍を注文したが、当日中には配達されるようだ。
しかし、結局は当日配達ができるということは物流業者にしわ寄せが行っているだけであり、Amazon以外に配達に遅延や連絡・引き継ぎミスによる配達漏れ、現場の疲労による作業ミスなどが誘発されている。私も過去に何度か遅配や配達漏れを繰り返され、ヤマト運輸にクレームを幾度か入れたことがある。その時はコールセンターから謝られただけだったが、その後も改善があまり見られなかった。逆にAmazonの物流業務から撤退した佐川急便の品質は向上したように感じられた。
また、私の古い友人は郵便配達員をやっているのだが、Amazonの配達をやり始めてからほんとうに大変になったと嘆いていた。もちろん、配達のプロとしては嘆いて入られないので必死に頑張っているようであった。
このようにAmazonのような巨大物流が現場を疲弊に追い込み、その他の配達へ影響を与えていることは間違いない。だからと言ってAmazonの利用を止めることは出来ない。何故なら、便利だからだ。人は便利には逆らえない。

■出前ビジネスがホット!

日本ではこの様に緻密すぎる配達網に更に負荷を掛けてしまったため金属疲労が起こり始めているが、逆に海外では即日配達、ファストデリバリーという分野に投資が向いている。米には買い物の手伝いをするサービス等があり1時間以内に配達してくれたりするInstacartやPostamatesが人気である。
配送料としては格段に高く14.99$/回〜、年会費99$で使い放題。これはAmazonPrimeを意識した値段だと思われるが、これでも十分に回るのは既存の物流サービスが貧弱で、配達完了までが不確かだったり遅延したりするのが当たり前だからだ。世界の物流は日本のように発達している国はまだまだ少ない。
そんな中で、数々の出前サービスが東京渋谷界隈ではここ数ヶ月賑わっていた。楽天や夢の街創造委員会、ぐるなびが展開する既存のカタログ型の予約サイトではなく、味に拘り製造、仲介と配達までを行う形のサービスである。delyや渋弁などが立ち上がっていたが、LINE WOWの登場によりプレミアム型デリバリーサービスは立ち行かなくなる可能性が非常に高い。
日本は国土が狭いため新規参入組が新しく密度を作ることが難しい。顧客を既に数千万人持っている大資本企業にやられては勝てない。現に渋弁は11月7日でサービスを停止する旨をユーザへ案内している。
そんな中、唯一勝てるのが企業向けのオフィスグリコに代表されるようなサブスクリプション型の補充サービスだ。現在はお菓子やアイスだけでなく、野菜を配達してくれる「OFFICE DE YASAI」やお惣菜を配達してくれる「おかん」等がある。
OFFICE DE YASAIの方に伺うと、社員の福利厚生の一環として企業側からのリピート率が高いとの事。このようなプレミアム感を持たせつつも企業向け且つ個人にフォーカスしたサービスにシフトしていくことが鍵のように思われる。これならば物流負荷も自網だけで十分にまかなえる。

■ECビジネスは多種多様に展開

日本も世界もECビジネスが非常に活性化されている。Amazonや楽天に代表される大規模EC、eBayやヤフオクに代表されるオークション型から派生し、現在ではリ・クローゼットというキーワードが流行りつつある。ブランド物の鑑定を自社で行い、ランク付けして販売し個人に還元するスタイルである。質屋のアップデートバージョンと考えても良い。C2B2Cというスタイルだ。日本ではアクティブソナー社のリクロがそれにあたる。
また、テレビCMが好調なメルカリやLINEモール等のC2Cビジネスもオークションとはまた違った利便性と決済の安全性をうたって展開している。同様にB2B2C向けのECサービスであるBASEやStores.jp等も利便性とデザイン性を売りに展開している。その中で各社ともまだまだ改善の余地を残しているのが倉庫・物流部分である。インターネット側のサービス部分を強化はどんどん行えたとしても、リアルな部分である物流と倉庫をユーザ側に任せているだけでは勝てないのではないかと思われる。
そこに目をつけたのがLINEであり、フェリシモ社と業務提携し個人情報をやりとりしないLINE配送というサービスを作り上げた。ヤフオクもブックオフと連携してテストを開始しており、個人間取引の次の形が垣間見えてきた。

■中小企業事業者の物流問題を解決

この様に大小問わず活況化する個人向け配送サービスだが、そんな中新しいサービスが立ち上がった。それが、オープンロジという中小業者向けのフィルフルメントサービスである。フィルフルメントサービスというとAmazonや楽天が既に展開されていて、ベンチャーが?と疑問に思うかもしれないが、ここに鍵がある。
楽天自体は自前の物流ビジネスへの投資がかさみ70億円もの大赤字になり、楽天物流社を本体に吸収合併し解散した。Amazonは業者にやさしくないユーザインターフェースであり、使い勝手がすこぶる悪いし自社のブランディングが出来ないという欠点がある。
そこで、オープンロジの伊藤CEOはITリテラシーを要求しない物流業者もEC側にも使いやすいサービスを作り上げた。オープンロジは自前で倉庫を持たず予め物流企業と契約をしているため、これまで中小事業者のハードルが高かった物流アウトソーシングサービスを従量課金型で敷居の低いものにしている。
既にオープンロジのサービスは先日ニューヨークのGoogleオフィスで開催されたプレゼンコンテストでも大きな評価をされ現地のベンチャーキャピタルや他国のアクセラレータからの誘いも多かったとのこと。
オープンロジはサービスに依存せずに使えるのが最大のポイントであり、特化型のサービスとしては鮮魚業界向けの八面六臂、クリーニングであればリネットがある。
今後、今回紹介したのような「リアル領域」をインターネットで便利にしていくサービスがさらに増えてくるだろう。

長々と引用してしまいましたが、従来のショッピングカートで完結であとは配送のみという形態から、付加価値を付けたサービスが追加されているようです。アマゾンや楽天のようなメガプレイヤーは、今後も大きいポジションになると思いますが新しい市場では、今回紹介されていた企業群が力をましてくるのかもしれません。

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